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海外競馬のススメ

2019.09.16

Daily life

前回の飛行機ネタが意外にも好評だったので、今回もコアな人向けインテリアショップらしからぬネタ【海外競馬】です。

私は海外に行くと楽しみしているのがインテリア>飛行機>競馬。この3つの目的はほぼ達成するようにしています。

日本ではギャンブルのイメージが強い競馬。でも海外ではその歴史も異なりイギリスのエリザベス女王やドバイのムハンマド殿下などは牧場や競走馬を所有しています。

それぞれ文化が違うとイメージは極端に異なります。

先述の通り私の海外はあの三つが基本セット。

ギャンブルが好きな方は香港やマカオ、シンガポールなどの競馬場がオススメ。

本場の競馬を楽しみたい方はイギリスやフランス、ドバイやアメリカなどがオススメ。

ゆる~く地元の人と笑いながらお酒飲んで競馬観戦したい方は本日紹介するフィンエアの「A350XWBに乗って行くフィンランド」やKLMの「B787-9に乗って行くオランダ」がオススメです。

いずれも関空より直行便が出ていますので乗り換え無しの8~10時間ほどです。

 

▼Vermo競馬場(フィンランド)

ヘルシンキから電車に乗って数十分、Makkylaという駅で降ります。

そこからひたすら競馬場に向かって歩きます。結構遠いです。(海外競馬あるあるですが、競馬場は車で行く人が多いため、公共交通機関では極めてアクセス悪く、駅からかなり歩く羽目になります)

そしてやっとのことでたどり着いたのが北欧インテリア王国FINLANDが誇るVermo競馬場です。地元の人も多いですが、意外とロシア人も多いそう。

フィンランドやオランダの競馬は(パートⅢ国)という部類に分類されており、さほど盛んではありません。(日本はパートⅠ国)

しかしゆる~く開催してますので地元の人でにぎわっていてとてもローカルな雰囲気を味わうことが出来ます。

こんな感じで普通に犬連れで場内に入れるんですよ。(日本は当然ペット禁止、写真を撮るときのフラッシュも禁止)

日本はギャンブルという側面もあり、公平性を重視しますが、パートⅢ国では「楽しさ」を重視します。

こんないい天気の夕暮れ時にビール飲みながらの競馬は最高ですよ。

さて競馬といっても世界では様々なレースが開催されています。平地レースとか障害レースとか芝コースとポリトラックとかね。

フィンランドで日本と大きく違うのがヨーロッパの田舎で主流のこの「トロッター」です。

このヴェルモ競馬場は日本のような馬にジョッキーが跨る競馬もあるにはありますが、繋駕速歩競走と呼ばれる(競歩みたいなイメージ)ものが主流です。

日本で騎手はジョッキーですが、こちらではもはや馬に乗っていませんので「ドライバー」と呼ばれています。

また馬も全速力で走るのではなく、早足を持続的に行います。馬自身にはスピードよりもスタミナが問われるのでしょう。

ですから日本の競馬のように後ろから追い込んで差しきるみたいなのはほぼ皆無で、前々に付けてそのままゴールする馬が勝ち切ります。

 

さあそしていよいよ馬券購入。

インターネットで調べて見よう見真似でマークシートを塗ります。このあたりは日本と同じ。

パドックもないし血統もよくわからないから頼りは地元民の人気のみ。3番人気の馬の単勝(1着を当てる)を購入しレースを見ていましたが、途中で見失うし、どこ走ってるか分からず結局ゴールして払い戻しの画面を見ていたら、なんとまさかの的中!

満面の笑みで払い戻しに行きます。アナログなんでおばちゃんから払戻金を直に受け取ります。

そう、ヘルシンキはインテリアだけじゃないんですよ。Marimekkoやiittalaを訪れた旅の〆にぜひヴェルモ競馬場に行ってみてください。

 

▼Duindigt競馬場(オランダ)

 

こちらはオランダの首都アムステルダムから電車でハーグ(経済の中心都市)に移動。そこからバスに乗り換えて20分ほどです。

バス停がとにかくややこしく、手当たり次第バスのドライバーに場所を聞いて、なんとか乗車。

ココで降りろの合図とともに降りましたが、google Map見るとそこからは徒歩で数十分。はい、もうこのパターン慣れてます。

実はこの日オランダダービー(ダービーというのはすごく大きなレースです)の前哨戦が開催されていたらしく、スタンドは満員。

といっても小さなスタンドですし、ほとんど地元の人たち。

とってもゆるくて、フィンランド同様、犬は入れるわ、馬場(馬が走るところ)には入れるわでなかなか出来ない経験が出来ました。

 

場内は完全にお祭り騒ぎで、仮装してブリキの車に乗ってず~っと歌を歌って盛り上げている人がいたり、

アメリカの「ビバリーヒルズ青春白書」に出てきそうな高校生が、今からダンスパーティ行くんかい!と思わせるようなちょっと背伸びしたファッションでバスから降りてきたり、おじいちゃん同士は集まって競馬の話(たぶん)盛り上がってるわ、おばあちゃんも馬券片手に大盛り上がりしてるわ、隣の父と娘は(ちらっと覗いたら)まあまあの金額を賭けて全力で応援してるわで、とにかくみんな楽しそうに盛り上がっていました。

 

さて馬券のほうですが、今回は複勝(3着までを当てる)を購入し見事的中。非常に楽しいオランダ競馬でした。

コロッケ(オランダ発祥ですよ)サンドとビールを片手に、天候にも恵まれ、また是非来たいと思うそんな競馬場でした。

 

日本はJRA(農林水産省)の管轄で、他のアジア諸国よりはギャンブル性が低いですが、昨今若者が増えたとはいえ顧客の主流はオジサン層。

一方このオランダやフィンランドは地元民が非常に楽しく過ごしていたのが印象的でした。

「父と娘」「おじいちゃん同士」「高校生の友達同士」「家族とペットと子供」この組み合わせがすべて成立する遊べる場所は日本にあるんだろうか?

しかもみんな他の人と話をしていて(言葉が分からないのでなんの話かは分からない)そこに集まった人たちですごくコミュニケーションが取れているように見えました。

日本でいうとショッピングモールは近そうだけどペットは入れないし、他の人とそもそもコミュニケーションを持とうとしない。

そういった意味で、競馬という老若男女問わない共通のコンテンツに、みんなが集まり、わいわい楽しむというすごく当たり前だけど現実として日本では実感がわかない光景に、いつの間にか自分自身も心酔してしまいました。

世代を問わず話が出来る環境ってホントにいいなあと思います。それが競馬でも、サッカーでも、たとえ政治でも。

そんなことを考えながら海外競馬を後にしたのでした。

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