奈良県吉野の樹を使ったアイテムたち
てんちょです。
実はフォレスタには奈良県吉野の吉野杉と吉野ひのきを使用したアイテムがあります。
2つの工房で作られているもので、私が見つけて、勝手に工房に押し寄せて、勝手にお話させていただいて、勝手に展示して、勝手に販売しているとても愛着のあるアイテムです。
先日、この2つの工房を訪れたのでその模様をお届けします。
と思ったら長くなってしまったので、今回はスタジオジグさんを紹介します。
もう一つの維鶴木工さんはインスタに載せてますのでそちらをどうぞ。
【Studio Jig】

店頭でこの座椅子を見た方も多いはず。ワタシの大好きなアイテムです。
工房は川上村。平井健太さんという作家さんの工房です。
もともとアイルランドで修業をした彼がその技術をふんだんに生かせる吉野杉に出会ったのがきっかけ。
吉野杉は非常にハイグレードな木でチーク材などのプレミアが付いている木と同じくらいの価格です。
吉野杉は無節なのが特徴で、これは意図的に植樹の際に1本1本の間隔を狭くとることによって、お互いがけん制し合い、育つスピードが遅くなるのと枝を出しにくくなります。
通常家具で使用される木は50-60年程の樹齢ですが、吉野杉は100-120年の長い年月を経て大事に大事に人間に手によって無節に育てられます。
そう、この座椅子ができるまでには120年という非常に長い歴史が刻み込まれているのです。

そもそも杉は家具には向いていません。密度が少なく柔らかいのです。
しかしこの吉野杉は非常に分厚い突板にすることにより、重ね合わせた時に3次元に曲げることが可能で、この非常に美しい曲線に仕上がるのです。
しかもすべて柾目。
フォレスタ店頭でも広葉樹のテーブルの天板は板目が多いですが、柾目でこのサイズ感の角材を切り出すということを想像しただけで、震えあがります。
とにかく希少性の高い、しかもこういった技法に向いているのが平井さんが作り続けている吉野杉なのです。

店頭では座椅子のみの取り扱いですが、ホテルなどのコントラクト案件や、海外からのオーダーにも一人で対応されています。
写真は3次元に曲げたテーブル。
モック(サンプル模型)はこんな感じで金属をまげて試作するそうです。

この辺りは商品というよりはもはや作品。
シルエットはもちろんのこと、その座り心地も抜群で、美術館に展示されていそうな作品です。
横で寝てるのは愛犬コハル(4歳)。めちゃくちゃ人懐っこいです。

そして平井さんが使用している治具たち。
スタジオの名前もここから来ています。これを見た瞬間に私「平井さんA型でしょ?」
平井さん「B型です、、、、」「仕事なんでちゃんとしてるんです、」
私「あ、すみません、、、」

久しぶりに平井さんとコハルにも会うことができて貴重なお話を伺えました。
結局、作り手の思いが入っているアイテムはスタッフも接客についつい熱が入ってしまいます。
ぜひ店頭でご覧ください。
