北欧のデザインから、手仕事の物語まで

新しい本が入荷しました。
北欧のデザインや建築、住まいについての本から、10月31日(土)から始まるガズニン絨毯展にあわせて、アフガニスタンの文化や人々の暮らし、糸をつむぎ、布を織る手仕事についての本まで。
それぞれ異なるテーマを持ちながら、私たちの知らない世界に触れ、日々の暮らしをあらためて見つめ直すきっかけを与えてくれる本たちです。
今回は、入荷した本の中からいくつかをご紹介します。

『「北欧デザイン」の考え方』
渡部千春 著
北欧デザインの背景にある歴史や文化、そしてデザインを生み出してきた人々に目を向ける一冊。
家具や照明、日用品など、北欧のデザインには、シンプルで美しいかたちだけでなく、使う人のことを考えた機能性や、暮らしを心地よく整えようとする考え方が感じられます。
建築や家具、テキスタイルなど、幅広いデザインを通して、その魅力がどのように育まれてきたのかを知ることができます。
見慣れた椅子やテーブル、身近な道具も、その背景を知ることで、少し違ったものに見えてくるかもしれません。
北欧の家具やインテリアがお好きな方に、もの選びの視点を広げてくれる一冊です。

『アルネ・ヤコブセン:時代を超えた造形美』
和田菜穂子 著
デンマークを代表する建築家・デザイナー、アルネ・ヤコブセン。
建築から家具、照明、細部のデザインに至るまで、その仕事には空間全体をひとつのものとして捉える視点が感じられます。
洗練されたフォルムの美しさはもちろん、建築と家具、空間とそこで使われるモノがどのように結びついているのか。その仕事を通して、ヤコブセンのデザインの本質に触れることができます。
長い年月を経ても古びることなく、今の暮らしにも自然に馴染むデザイン。
店頭では、セブンチェア、アントチェア、ドロップチェアを展示しています。
ぜひ、ゆっくりチェアを眺めてみてください。

『ヤコブセンの家 ― 桜日記』
岡村恭子 著
デンマークを代表する建築家、アルネ・ヤコブセンが設計した住宅で暮らす著者が、日々の生活や四季の移ろいを綴ったエッセイです。
建築家の作品としての家だけでなく、そこに住む人の目線から、住まいの魅力を感じられるのが本書の面白さです。
建物の外観や室内の写真、間取り図なども掲載されており、ヤコブセンがつくり出した空間を、暮らしの風景とともに楽しむことができます。
また、デンマークでの日常や食文化に触れられるのも魅力のひとつ。
美しい建築を眺めるだけではなく、そこでどのような時間が流れ、どんな暮らしが営まれているのか。そんなことを想像しながら読み進めたくなります。
家を建てること、住むこと、そして日々を楽しむこと。
そんな身近なテーマを、少し違った角度から考えさせてくれる本です。

『織田邸/家具・生活・空間』
世界的な家具コレクターである織田憲嗣さんの自邸を、美しい写真とともに紹介した一冊です。

本書の魅力は、名作家具を眺める楽しさだけではありません。
椅子やテーブル、照明など、一つひとつの家具が住まいの中にどう配置され、どのような空間をつくり出しているのか。その工夫を知ることができます。
家具を集めることと、心地よく暮らすこと。
その二つがつながっている。
そんな気づきを与えてくれる本です。
家具を選ぶことは、単に物を選ぶことではなく、そこでどんな時間を過ごしたいかを考えることなのかもしれません。
家づくりを考えている方はもちろん、北欧家具やインテリアが好きな方、日々の暮らしを少し見直してみたい方にもおすすめです。

『中心のある家 建築家・阿部勤自邸の50年』
建築家・阿部勤氏が自ら設計し、長年暮らした自邸「中心のある家」。
この本の魅力は、建築としての美しさだけでなく、実際の暮らしを通して家が育っていく様子を知ることができる点。
家の中心となる空間を囲むように、さまざまな場所がつながっていく構成。庭の緑や自然光、家具や生活道具が、その空間に豊かな表情を与えています。
また、家族の暮らし方が変われば、家の使い方も変わります。
必要に応じて工夫を加えながらも、建物がもともと持っている魅力を大切にする。
その姿勢が、長く住み続けられる家について考えるきっかけになります。

本書には、図面やスケッチ、記録写真などが豊富に収録されています。建築の細かな工夫を知る楽しみはもちろん、時間とともに変化する住まいの風景を眺める楽しみもあります。
今あるものを大切にし、手をかけ、自分たちの暮らしに合うように整えていく。
これから家を建てたい方、今の住まいをもっと心地よくしたい方にも読んでいただきたい本です。

そして、ここからは視点をアフガニスタンへと移し、絨毯を生み出す手仕事や、その土地の文化、人々の暮らしに触れる本をご紹介します。
一枚の絨毯には、色や文様、織りの美しさだけでなく、それを生み出した土地の文化や、受け継がれてきた手仕事の時間が織り込まれています。
絨毯を眺めることから一歩進んで、その背景にある世界にも触れていただけたらと思います。

『糸をつむいで世界をつないで』
世界各地で受け継がれてきた織物を通して、人々の暮らしや文化に目を向ける一冊。
私たちの身の回りにある衣服やカーテン、ラグなどの布。その一枚ができあがるまでには、素材を育て、糸をつくり、染め、織るといった、多くの工程と人の手が関わっています。
一本の糸が布になり、誰かの暮らしを支えるものになっていく。その過程を知ることは、ものづくりの背景にある技術や知恵、そして人から人へと受け継がれてきた文化に目を向けることでもあります。
土地ごとの自然や文化によって、素材や色、文様、織り方もさまざまに変わります。
一本一本の糸や、それを形にしてきた人の手にも思いを巡らせてみる。そんな楽しみ方を教えてくれる本です。
『希望の一滴 ― 中村哲、アフガン最期の言葉』
中村哲 著
医師としてアフガニスタンで人々を支え続けた中村哲さん。
その言葉と活動を通して、現地の人々の暮らしや、命を支えることの意味を考える一冊です。
中村さんは医療活動にとどまらず、干ばつに苦しむ人々のために用水路の建設にも取り組みました。
水を確保し、農業を支え、人々が安心して暮らし続けられる環境をつくる。
その活動からは、医療だけでは解決できない問題と向き合う姿勢が伝わってきます。
水や食べること、働くこと。私たちにとって当たり前に思える日常も、その土地の自然や環境と深く結びついています。
現地の人々と向き合い続けた中村さんの言葉を通して、アフガニスタンを遠い国としてではなく、一人ひとりの暮らしがある場所として考えるきっかけになる本です。
『教えて!タリバンのこと』
内藤正典 著
アフガニスタンやタリバンについて、歴史や社会の背景から理解を深めるための本。
ニュースで目にする国際情勢は、複雑な歴史や政治、宗教、地域ごとの事情が重なり合って生まれています。
断片的な情報だけでは理解しにくい出来事も、その背景を知ることで、少しずつ違った角度から考えられるようになります。
ひとつの国を、ひとつのイメージだけで捉えず、政治や社会の動きだけでなく、そこに暮らす人々の日常や文化にも目を向けることが大切なのだと気づかされます。
絨毯や工芸品を通して異なる文化に興味を持ったとき、その土地の歴史や現在にも目を向けてみると世界への理解が広がっていきます。
今回入荷した本には、それぞれ異なる入り口から、私たちの暮らしを見つめ直すヒントが詰まっています。
10月31日(土)から始まる【ガズニンラグ絨毯展】とあわせて、ぜひ店頭でご覧ください。
In partnership with
本町文化堂
和歌山県和歌山市本町3丁目6
TEL/FAX:073-488-4775
営業時間:12:00-20:00 木曜定休
